王女ちゃんの執事3『き・eye』男の娘、はじめます。
「てめ、返せ!」
「中のものぜーんぶ見て。初期化して返してやるよ。それともあれか、見られたくないもん、いーっぱい入ってるか? これ」
「…なっ、ふ、ざけんな!」
 ぴょんぴょんクソダニ、手の鳴るほうへ。
「ふざけてんのは、どっちだ、ガキ。もしかどっかにコピーしてても、こっちにはてめぇの送りつけてきたメールが山とあるからな。拡散しやがったら、こっちもさらすぞ。女装ネタなんて屁でもねえのは見りゃわかんだろ。かわいいんだよ、うちの子は」
「てめ、……お…れの…ド…、くそ、ぇ……」
 なにやらわめきながらジャンプして、しつこく手を伸ばしてくる西野をひとにらみ。大事なのはゲームアプリかよ。情けないやつ。
「しつけぇと、投げるぞ」
「――――っ」
 ひきつけた西野は、血走った目で虎をにらんだ。
「くそオカマ野郎! 兄貴はやくざか! とんだ変態だ。変態兄弟!」
「兄ちゃんを悪く言うな!」
 いいぞ。やり返せ虎。
 とはいえ。
 頭上で電車が止まった気配がする。
 次の流れが来る前にここはおさらばだ。
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