真夜中のサイコパス
「咲良、相手は強敵だよ。

普通なら、あきらめたくなるくらい。

だけどさ、私はいつだって咲良の味方だからね」


「ありがとう、優子。

持つべきものは友達だね」


私はそう言って、優子に笑顔を見せていた。


正攻法で勝負するなら、私は木村菜々子に絶対に勝てない。


だから、ズルしてでも裏ルートを見つけて、拓実との距離を縮めたい。


どうにかしてその方法を見つけなくちゃ……。


私がそんなことを考えていたとき、私の頭の中に里山高校の都市伝説が真っ先に思い浮かんだが、私はそれを頭の中から振り払った。


どんなにズルをしたくても、浜中美澄に頼るのだけは絶対に嫌だ。


浜中美澄は私の体を乗っ取り、私の体を支配してくる。


浜中美澄のせいで、私が私でないときが度々、訪れるのだ。


でも、私はどんなときでも自分でいたい。


私はサイコパスの浜中美澄ではないのだから。
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