契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
午後八時過ぎ。
お昼前からゆっくり荷解きをして、邪魔な段ボールをすべて片付けた。
持ち込んだ荷物は衣類や本などを筆頭に段ボールで十個いかない程度だった。
家具類などは持ち込まなくて構わないと事前に桐生さんに言われ、元の住まいに置いたままになっている。
急遽引っ越すことになり、実はまだ独り暮らしをしていたマンションの解約手続きを済ませていない。
先月契約の更新をしたばかりというのもあるけれど、一応すぐには手放さないほうがいいかもしれないという頭があった。
もしかしたら、何かの理由で戻る可能性だってあるかもしれない。
そうなった時、帰る場所を失っていたら路頭に迷うことになる。
幸い、新しい生活において私が家賃や生活費を負担することは遠慮されているし、むしろ家にいて稼げるというお金には困らない状態だ。
それなら、これまで住んでいた独り暮らしの部屋の家賃をしばらく払っておいてもいいかという考えに行き着いた。
万が一に備えて帰る場所を残しておけば、気持ち的にも安心できる。
だから置いてきた家具に関しても、焦らずゆっくり考えればいい。