契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「あの、これ。つまらないものですが」
「あら、気を使わなくていいのよ。今度からは手ぶらで来てね」
そう言って受け取りながらも、「ここのホテルのお菓子、美味しいわよね!」と喜んでくれるところがありがたい。
「父さんは?」
「リビングでお待ちかねよ」
そんな親子の会話を受けて、再び緊張が高まる。
案内されてお邪魔した広々としたリビングには、お母様の言っていた通り七央さんのお父様がひとり私たちの到着を待っていた。
「七央と佑華さん、いらしたわよ」
お母さんに声をかけられたお父様は、掛けていたソファーからすっと腰を上げる。
立ち上がると七央さんのように上背があり、オールバックにした髪はきっちりと撫でつけられていた。
七央さんの切れ長の目はお父様譲りで、精悍な顔立ちや雰囲気もよく似ている。
七央さんが歳を重ねていけば、このお父様のようなダンディーな男性になるのだろうと容易に想像がついた。