契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「母さん、気が早すぎ。そういうの、嫁さんに言う姑は嫌われるってよく言うだろ」
ずばり鋭い指摘をする七央さんに、お母様は即「違うわよ!」と否定する。
「いずれ、の話よ。今すぐなんて言ってないわ。そもそも母さんはね、子どもが生まれる前の夫婦の時間はたくさんあったほうがいいと思ってるのよ?」
そう言って「今のうちよー、ラブラブできるのは」と、取り皿の上の料理がなくなったお父様の取り分けを始めた。
こうして家族の雰囲気をみていると、仲のいい家族なんだろうなと空気で伝わってくる。
明るくムードメーカーなお母様を、穏やかなお父様が優しい眼差しで見守っているのが素敵だし、七央さんもご両親と仲がいいのがよくわかる。
訪問するまでは、堅苦しいエリート一家だったらどうしようとか考えていたりしたけれど、それは私のいきすぎた妄想だった。
「ご家族が仲が良くて、羨ましいです」
つい思ったことを口にすると、お母様は嬉しそうに「本当? 嬉しいわ」と微笑む。
「私、もう両親が他界しているので、家族のこういう雰囲気って大人になってから味わったことなくて。なので、今日お邪魔できて嬉しいです」