契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「すみません、お待たせしました」
「いや、全然待ってないから、大丈夫」
対面して立つのは、なんだかんだ三度目のことだけど、やっぱり身長が高い。優に百八十以上はあるのだと思われる。
「じゃあ、行きましょうか」
「あ、はい」
ル・シャルルへと向かって桐生さんが歩き出し、半歩後ろをついていく形で動き出す。
こういう時って、何を話せばいいんだろう。
お互い無言のまま、特に会話もない状態で、なんとなく居心地が悪い。
だからといって、会ったばかりで何か話題を切り出す勇気もなく、ただ黙って歩いていく。
「今日は、出てきていただきありがとうございました」
「えっ、あぁ、いえ!」
地面の先のほうを見て歩いていると、不意に声をかけられ驚いてしまう。
顔を上げると、桐生さんは振り向きこっちを見ていた。
その流れから横に並んで歩き出す。