契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「でもやっぱり、それでも長く続けているということは、それ以上に仕事に魅力があるということですね」

「そうですね。そうなんだと思います」


 私の仕事も不規則だけど、それを言ったら桐生さんの仕事はもっと不規則なんじゃないかな……?

 それこそ、時差ボケとかもありそうだし。


「私より、桐生さんのほうが不規則な生活じゃないですか? パイロットのお仕事って、大変そうだし」

「不規則、といえばそうですかね。俺も宇佐美さんと同じでもう慣れてしまったから、特に何も感じないのが正直なところですけど」

「あの、私の素朴な疑問なのですが、国内線も国際線も両方飛ばれるんですか? それとも、国内だけとか、国際線担当とか、決まっているとか」


 これまで飛行機のパイロットをしている人とこんな風に話す機会に恵まれず、航空業界のことはまったくわからない。

 だから、いろいろ聞けるかと思うと次々と質問が思い浮かんでくる。


「国内線も国際線もどっちも飛びますよ。人によっては、国内線ばかり飛ぶパイロットもいますし、俺みたいに両方もいるし。逆に、国際線オンリーってパイロットも」

「え、その違いってなんなんですか?」

「んー……生活スタイルかな。家族と毎日顔を合わせたいっていうパイロットなら、国内線で早朝から飛んで、夕方には仕事を終えて帰宅するっていうスタイルを毎日やったり。逆に一か月に国際線を何回か飛んで、月の半分はオフにしてるパイロットもいる。俺の父親なんかはそのスタイルで、趣味のほうに時間を取りたいからとかって」

「えっ、ちょっと待ってください。お父様も、パイロットなんですか?」

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