契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
お腹いっぱいで帰宅し、脱力するようにシングルのベッドにどんと腰を下ろす。
そのままばたっと背中を倒すと、ひとり「ふう」と息をついた。
「契約結婚、か……」
ひとりきりの部屋にぽつりと落ちる小さな呟き。
ハッと思い出したように上体を起こし、ベッドの下に置いたバッグの中に手を突っ込んだ。
がさっと折りたたまれた紙切れを取り出す。
少し右上がりの丸っこい佑杏の字でびっしりと書かれた〝契約内容〟を、改めて読み返していく。
私に質問を繰り返しながら、佑杏はこの紙を書いていった。
放っておいたら、何も考えなさそうとでも見抜いたのだろう。
さすが、我が妹だ……。
『とにかく、お姉ちゃんがどうしたいのかを教えて』
そう言われて、漠然と思い付いたことを挙げていった。
仕事は今後も今まで通り続けたいこと。
休日は変わらず趣味に使いたいこと。
すぐに思い付いて出せたのは結局このふたつくらいで、つくづく私は独身生活と同じ状態を維持したいのだと改めて思い知った。
その他は佑杏がリードして考えてくれて、「遠慮なく条件出したほうがいいから!」と、私の立場になって紙に書き込んでいった。