やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない
 えーと基本給に役職手当がつくでしょ。

 それに営業手当が歩合でプラスされて。

「……」

 そういや部長って何度も社長賞を獲得するくらい営業成績がいいんだよね。

 先月だって大口の契約を結んできたし。

 あれ?

 もしかしなくても超優良物件?

「色はあんまり派手じゃないほうがいいよな……って、大野?」

 数字でぐるぐる回り始めた私の頭に怪訝そうな彼の声音が響く。

 私ははっとした。

 むすっと口角を下げた三浦部長の目と合う。

 あ、やばっ。

 部長の話、ちゃんと聞いてなかった。
 
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