青薔薇の至愛
冷蔵ショーケースから飲み物を取り出す藤永君に次いで、私も水と朱ちゃんがいつも飲んでる『茶は濁せば愛と化す』という謎の名前のいかにも苦そうな濃いお茶を取った。
「デート?」
藤永君が微笑ましそうに聞いてくるから、口元が緩んじゃう。
「そうなの!
今から海を見に行くんだ~」
「入らないの?」
「私泳げないから……入っても足つけるぐらいかな。
藤永君は誰かと一緒?」
「あ、うん。友達とーー……」
BGMがかかった店内で、他愛もない話をしていると、誰かが藤永君の背中を軽く叩いて私達の会話を止めた。
「おい藤永、遅いから何してるかと思ったら、なに、ナンパ?」
黒髪で短髪のくりくりとした可愛い瞳の男の人が藤永君に言う。
……あれ、この顔。
どこかで見たことあるような……。