青薔薇の至愛
ドラマに出てきそうなチャラ男の言葉をそのまま使う朱ちゃんが私の肩を抱き寄せるから、笑いながら体をくっつけると。
ピチョンと、鼻先に水滴が落ちてきて、それは次第に大粒に変わる。
さっきまで晴れていたのに、急に雨が降ってきた。
「しばらく止みそうにないな、この雨。
近くに屋根付きのバス停があったよな、そこまで歩くか」
「帰らないの?」
「雨の日は滑りやすくてバイク事故多いからな~。
俺だけならまだしも、お前後ろに乗せてまで危険なことはしない」
「朱ちゃんだけでも危険なことは駄目だよ?」
「あい、心配性な優さん。肝に銘じておきます。」
既に濡れていた私とは違って、運が悪いことにずぶ濡れになる朱ちゃん。
お互いシャツが肌にくっついて気持ち悪い思いをした。
朱ちゃんに手を引かれてバス停で雨避けし始めたはいいけど……夏なのに、しつこい雨はなかなか止んでくれない。
そろそろ日が暮れる時間帯だ。
朱ちゃんは腕時計をチラッと見て、ため息を吐いて携帯をタップし始めた。