青薔薇の至愛
大きなため息を吐く雪羽君は、教室じゃいつもクールで無表情なことが多いけど、朱ちゃんの前だとちゃんと感情を表に出す。
だからかな……。
「見た!?今の名雲君のため息!悩める王子も素敵よね~」
「京堂先輩と名雲君の2ショッはやばい、本気推せる」
会話の内容が聞こえていないクラス女子が、ふたりを見てキャッキャと盛り上がってる。
朱ちゃんただでさえ人気者なのに!
せめて私のクラスだけでもこれ以上目立ってほしくないよ。
教室の引戸に向かって朱ちゃんの背中を押す。
「もうっ、朱ちゃん自分の教室に戻ってよ~」
「えっ!?優そんなに俺居ない方がいいの?
朱ちゃんショックだわー」
「そろそろ鐘鳴るもん!」
「……あーあ、そりゃあしょうがない。
じゃあ放課後、一緒に帰ろうな。
……相談はやっぱ雪羽じゃなくて俺にしとけ」
「……っ」
「俺の方が優のこと知ってんのに、雪羽じゃお前のこと満たしてやれねーぞ?
じゃあな」