青薔薇の至愛
いたずらっ子な笑みで言う朱ちゃんは、背中を見せて手を肩まで上げ軽く左右に振ると、自分の教室に戻っていった。
「はぁー……なんなのあの人。」
またため息を吐く雪羽君に、眉を八の字にして顔を合わせる。
「雪羽君ごめんね……なんだか巻き込んじゃって」
「別にいいけどさー……あんたらこれでマジで付き合ってないんだから意味わかんねーよな」
「……??」
「朱光さんもそうだけど、優乃も鈍すぎ」
「え?」
私達の会話に割ってはいる様に、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る。
「そこまで独占欲表に出すなら、さっさと告白しろよ朱光さん」と、雪羽君の声はその音にかき消され、私には聞こえていなかった。