青薔薇の至愛



本当は、振られたところで次に進むことなんかできないと思う。


私、朱ちゃん以外は好きになれない星の下に生まれたんだから。


でも、告白の返事ずっともらえないまま、無かったことにされるくらいなら振られた方がマシだよ。


無かったことにされて、ずっと隣にいるのは苦しいから。


「お前、俺ともし付き合えたとして、なにすんの?」


「へっ?」


「仮の話だけど、考えたことある?」


「と、突然そんなこと言われても……。
 えっと、えっと、一緒に学校行ったり、休みの日は遊びに出掛けたり??」


「それって付き合ってなくてもやってることだろ」


「あっ」



「お子様」とボソッと呟く朱ちゃん。



確かに、誰とも付き合ったことがないから付き合うってよく分かんない。


少女漫画で読んだことあるけど……デートして手繋いでキ、キスとか……?


私と朱ちゃんがキス!?



「わあーーーーっ!」


「うわっ、なんだコイツ急に壊れやがった。
 おい優乃なに俺で想像してんだ?やらしーな」


「違う違うちが……う?いや、違わないけど!!」


「いや想像してたのかよ。別にいいけど、減るもんじゃないし。
 つまり、そういうこと、お前できんのって話。」


「……」


「できないだろ?だから無理して付き合わなくてもいいだろ。
 今の距離感でも十分楽しいし?」





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