青薔薇の至愛
ヘラッと笑う朱ちゃんってば、物騒だ。
ていうか……。
「な、なんで朱ちゃんが怒るの!
私が誰とキスしようが、朱ちゃんには関係ないもん!!」
「は?」
「私の事好きじゃないくせに……」
これ以上、期待させるようなことしないでほしい。
そんなんじゃいつまで経っても朱ちゃん離れできる気がしないよ。
好きに……なってくれないくせに。
俯きながら逃げるようにドアノブに手を掛けた瞬間、朱ちゃんが私の手を掴む。
ビクッと震える体に、朱ちゃんの視線。
このムズムズとした雰囲気に耐えられない……!
「もう帰るから放して……っ」
「誰が好きじゃないつった?」
「ーーへっ?」