初恋物語~大切な君へ
「もちろん!」
「空けてみて!」
俺は雫から貰ったハート柄の紙袋から
紺色の四角いシンプルの箱を取り出し、
箱に付いていたリシルバー色のリボンを
解いて蓋をあける。
すると生チョコが12粒綺麗に並んで
俺に向かって甘い生チョコの香りが
一斉に向かって俺の身体を包み込んだ。
間違いなく雫の手作り生チョコは激うま
だと確信した。
食べるのが勿体ないくらい本当に良く
出来ている。
「雫凄く美味そう!」
「1粒今食べて良い?」
「うん!」
「感想聞きたいから食べて。」
颯太君は生チョコ1粒を取り出し、
口の中に入れた。
そして目を閉じながら少し無言で食べてい
てその無言がハラハラドキドキで私の
胸の鼓動が鳴っている。
この無言心臓に悪いなぁ…美味しいのかな?
それともあまり美味しくなくて無言なの
かな?色々考えてしまうなぁ。
この間本当ヒヤッとする。
そんな事をぐるぐる頭で考えていると
颯太君が話し始めた。
「雫、生チョコ激うまなんだけど!」
「めちゃくちゃ俺好みの味で感動した。」
「初め、口に入れた途端ジワジワと」
「チョコが溶けながら口の中を程よい」
「ミルクチョコが甘さを残しつつ」
「最後なくなる直前ぷちっと何かが弾けた」
「後ほろ苦さに変わったよ!」
「颯太君凄い!」
「実は生チョコの真ん中にビターの」
「チョコチップを入れたんだよ!」
「よくわかったね!」
「わかってくれて凄く嬉しい。」
「雫この生チョコ店で売れるくらい」
「クオリティ高いな!」
「後の残りは家でじっくり味わって」
「食べるよ。」
「お店!?」
「それは言い過ぎだよ…」
「でも本当にそこまで喜んでもらえて」
「嬉しいなぁ。」
「来年も期待してるw」
「任せてw」
「雫そろそろ家帰らなきゃだな。」
「家まで送るよ。」
「いつも颯太君ありがとう。」
私と颯太君は近所の夕陽に染まった公園を
出て手を繋ぎながら家まで送ってもらい、
颯太君の去って行く背中が見えなくなる
まで私は見送った。
そして私は玄関の扉を開けてリビングの
ソファーに座り無事にチョコを渡せた
事を改めて思い返して安堵する。
あっ、それより美桜と兄ちゃんは
どうなったのかな。
上手くチョコ渡せたのかな……。
兄ちゃんまだ帰ってきてないもんね。
※美桜と優也編※
私は雫と学校で別れた後、優君を待つ為
優君から指定されたショッピング
モールの中にあるオシャレなカフェの前で
優君が到着するのをドキドキしながら
待っていた。
「美桜、遅くなってごめん。」
そう言って私の大好きな優君は黒色の
マフラーを揺らしながら走って私の
元へと来てくれていた。
そんな彼の行動や仕草や声全てがキラキラ
と輝いて見えてくる。
恋って凄いなぁと改めて実感してしまう
なぁ。
「全然遅くないよ!」
「私も本当、ついさっき来たばかりだよ」
「今日、時間作ってくれてありがとうね。」