このせかいに在るがまま
ここまで聞いて、なんとなく星原くんが両親と険悪になっている理由を察した。
彼がこの街にのこる理由はおばあさんだけじゃない。
彼には、まだ目をさまさない海歩さんが居る。
詳しくは星原くん本人に聞かないことにはわからないけれど、両親に、彼女のことはもうどうでもいいと言われているようで怒ったのではないかと思うのだ。
休学という形で収まっている理由は先生もあまり詳しくは知らないとのことだった。
星原くんのおばあさんが以前、転んでしまって検査入院をしていたことは聞いた。星原くんが1週間学校を休んだ時のことだ。
あの時、はじめて星原くんの過程の事情をいろいろ聞かせてもらって、星原天晴という人間がどんな人生を歩んできて、どんな感情を抱いているのかを知ったのだ。
星原くんにとっておばあさんは支えだった。
そして、海歩さんと見た空を糧に生きている。
人というのは誰もが皆弱くて、もろい。
どんなにこころが強い人間でも、何かをきっかけにダメになってしまうことは決して珍しくないこと。
星原くんはいつだってかっこよかった。周りをよく見ていて、うまく呼吸をしながらこの世界を生きている。
大嫌いな世界のことを受け入れて、たくさんの理不尽と闘って生きている。