このせかいに在るがまま







時刻は21時を回ったころ。


叔母さんがお風呂を済ませて寝室に戻ったことを確認し、足音を立てないようにそーっと部屋を出る。

叔父さんは昨日から県外に出張に出ていて、この雨の影響で飛行機が飛ばず、帰ってくる日が2日ほど伸びてしまったらしい。


リビングにはもう人の気配がなく、電気が消えていた。



最近はバイトがあってもなくても、叔母さんと顔を合わせる機会が増えた。相変わらずご飯は他人の味がするけれど、それでも前よりは会話もするようになったし、心なしかこの家への抵抗も少し薄れた。



星原くんの影響だと思う。

星原くんといろんな話を共有しているうちに、叔母さんからの愛を逃げずに受け止めようと、そう思えたのだ。




ギイィ…と音を立てて玄関扉をあける。傘を開けて空の下に出ると、ぼたぼたと重い雨が当たった。

雨は止むどころかむしろ強くなる一方で、流れてたご飯を食べているときに流れていたテレビでも、『明日は全国的に暴風雨になるでしょう』と美人系の気象予報士が言っていた。



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