このせかいに在るがまま
真っ暗な道を歩き駅に向かう。人気も少なく、雨音だけが虚しく響く夜道はひどく心細かった。
電車に揺られて15分。帰宅ラッシュの時間帯を過ぎた電車はスカスカで、降りた駅は無人だった。
いつきても変わらない、建物も街灯も少ない町。改札を出ると海が広がっているはずだけど、雨のせいかあまりよく見えなかった。
導かれるみたいに数分歩いてたどり着いた、星原くんの母校である小学校。校舎にあかりは灯っておらず、入口の門はしまっている。
傘を閉じ、柵の隙間から反対側に傘を落とす。強い雨に打たれて、たちまちわたしの身体は水気を帯びる。髪の毛が肌にへばりつき、柵にかけた手は冷たかった。
のぼっている途中で手を滑らせて落ちたら泥まみれになって最悪だろうな、と他人事みたいにそんなことを考えた。
悪い予想は外れ、わたしは無事門を超えることができた。
落とした傘を拾って再びひらく。一度濡れた身体からは歩くたびに水が滴り、前髪から垂れた水が頬を伝ってくる。
傘をさしている意味は、ほとんどないに等しかった。