御曹司は懐妊秘書に独占欲を注ぎ込む
もしも出張から戻ってきてすぐに早希に会いに行っていれば、病院に付き添って妊娠中の彼女を支えられたかもしれない。
生まれてから今の姿に成長するまでの芽衣を早希と一緒に見られたかもしれない。早希に頼られるのが当たり前だったんじゃないか。今みたいな曖昧な関係性ではなくて……。
考え出したらきりがない。すべては仮定で過去は変えられないとわかっているのに。
『後悔する暇があるなら、今目の前にいる早希と芽衣と向き合う方がよっぽど健全じゃないか?』
岡崎の言い分はもっともだった。
「わかっている。ただ、早希に言われたんだ」
『断言します。あなた、絶対後悔しますよ!』
『意地っ張り! 本当は気になっているんでしょ? 迷っているなら行動すべきだっていつも言っているのは誰ですか。くだらないプライドは捨ててください』
彼女の言った通りだ。俺は、なにもわかっていなかった。
眉をひそめていると、電話口の向こうからはあっけらかんとした声が返ってくる。
『ま、人間簡単に変われないからな。でもよかったじゃないか。そうやってお前の悪いところを叱ってくれる存在がいて』
岡崎の指摘に思わず目を見張った。続けて妙なおかしさが込み上げる。俺は前髪を掻き上げて調子を戻した。
「ああ。だから早希には一生そばにいてもらわないと困るんだ」
自分の気持ちを確認して電話を切る。後悔するくらいなら活かすことを考えるべきだ。
仕事ならさっさと切り替えられるのに、早希が絡むとなかなかうまくいかない。逆に簡単に割り切れないほど彼女が大切で愛しているんだ。
※ ※ ※
生まれてから今の姿に成長するまでの芽衣を早希と一緒に見られたかもしれない。早希に頼られるのが当たり前だったんじゃないか。今みたいな曖昧な関係性ではなくて……。
考え出したらきりがない。すべては仮定で過去は変えられないとわかっているのに。
『後悔する暇があるなら、今目の前にいる早希と芽衣と向き合う方がよっぽど健全じゃないか?』
岡崎の言い分はもっともだった。
「わかっている。ただ、早希に言われたんだ」
『断言します。あなた、絶対後悔しますよ!』
『意地っ張り! 本当は気になっているんでしょ? 迷っているなら行動すべきだっていつも言っているのは誰ですか。くだらないプライドは捨ててください』
彼女の言った通りだ。俺は、なにもわかっていなかった。
眉をひそめていると、電話口の向こうからはあっけらかんとした声が返ってくる。
『ま、人間簡単に変われないからな。でもよかったじゃないか。そうやってお前の悪いところを叱ってくれる存在がいて』
岡崎の指摘に思わず目を見張った。続けて妙なおかしさが込み上げる。俺は前髪を掻き上げて調子を戻した。
「ああ。だから早希には一生そばにいてもらわないと困るんだ」
自分の気持ちを確認して電話を切る。後悔するくらいなら活かすことを考えるべきだ。
仕事ならさっさと切り替えられるのに、早希が絡むとなかなかうまくいかない。逆に簡単に割り切れないほど彼女が大切で愛しているんだ。
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