今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
むしろ私が「冷蔵庫の中は分類してください!」とか「ソファに物を置く癖やめてくれません!? お尻で潰しちゃいますから」とか「ドライヤーのコードはちゃんとまとめておきましょうよ」とか、お小言を言っているくらいだ。

口うるさいなぁと思われているかもしれない……。

「ねぇ、今日の夕食はこんなのどうだろう? オーガニック食材のイタリアンフルコースだって。デリバリーもあるよ」

「またそんな高カロリーなものを……。あのですねぇ、妊婦だからいくら食べてもいいってわけじゃないんですよ? 目安の体重を越えたら、先生に怒られるんですから……って、お医者さんなんだから知っているでしょう!」

「知ってるよ。でも、杏ってもとが細いし、すごくおいしそうに食べるからさ。つい食べさせてあげたくなっちゃって。そこまで太ってもないだろう?」

「……見た目には変わらなくても、体重計が真実を物語っているんです」

この家に越してきて一週間、彼が美味しいものばかり食べさせてくれるせいか、体重が増加傾向だ。土日くらい自炊をしようと心に決めた。

「今日の夕食は野菜たっぷりの水炊きです!」

「鶏肉をたくさん入れようか。タレはごまダレがいいかなぁ」

「お豆腐をたくさん入れましょう! タレはポン酢です!」

食べさせたがりの彼をなだめながら、ふたりで近所のスーパーへ買い物に行った。


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