今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「彼女が自由に働ける場所を、俺が用意する」

「あっはっは。資産家は考えることのスケールが違いますね。会社でも作る気ですか?」

「俺も考えなしに彼女を妊娠させたわけじゃない。女性の妊娠、出産、ライフスタイルの変化に寛容な出版社もいくつか当てがある。もちろん、彼女が自力で働く先を見つけるのがベストだろうけれど、紹介することも可能だ」

長門さんの笑顔が凍りつく。彼がそこまで根回ししているとは思わなかったのだろう。

驚いたのは私も同じだ。まさか悠生さんが私の就職先のことまで考えてくれていただなんて。

私ですら行き当たりばったりで、万一の就職先なんて考えたことがなかったのに……。

準備や心構えがちゃんとできていなかったのは、私のほうだったのかもしれない。

彼は私を衝動的に妊娠させたわけじゃない。私と子どものしあわせを守る自信があるから妊娠させたんだ。

「俺は出産を理由に、彼女に不自由を強いるつもりはないよ。妻をしあわせにするのが夫の務めってものだろう? もちろん、お腹の子どももね」
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