今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
食事の後片付けを済ませたあと、私たちは各々の時間を過ごした。

私がお風呂から上がりリビングに戻ると、彼はソファでタブレットを開いて難しい顔をしていた。こちらに気づくと視線を上げて、にっこりと微笑んでくれる。

「お仕事ですか?」

声をかけると、彼は「そう」と返事をして、タブレットを膝に下ろして伸びをした。

「内科で難しい症例があって。手術可能か見てほしいって」

「家でもお仕事なんて、大変ですね」

「それを君が言う?」

おどけたように肩を竦めて、私をソファの隣に招く。タブレットをテーブルに置くと、私の体をぎゅっと抱き寄せた。

「っ、悠生さん、お仕事の続き――」

「きりがいいから大丈夫。それより少しイチャイチャしよう」

私のこめかみにキスを落として、頭を愛おしげに自分の胸元へ抱き込む。

あらたまってイチャイチャなんて言われると、緊張してどうしたらいいのかわからなくなってしまう。

「恋人である期間が短すぎて、こうして慣れ合う暇もなかったね」

「短いというか、ゼロでした……」

ちらりと目線を上げて覗き込むと、彼は「ゴメン」と苦笑して、唇にちゅっとかわいらしいキスを落とした。

「なんていうか……すごく焦ってしまって。君が見合いをするとか言いだすから。放っておいたら誰かのものになってしまいそうで」
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