今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
それから約四週間後、十二月の初め。
予定日の直前に陣痛がきて病院へ。
丸一日かけて、私は二九〇〇グラムの元気な女の子を出産した。
退院直前、悠生さんが娘を抱っこして病院内の各所を回りお披露目した。
我が子を見せびらかしたかったのもあるだろうけれど、自分が父親になったことと、円満な家庭であることをアピールする目的もあったようだ。
以前、私が陰口を叩かれて落ち込んでいたことを気にしてくれたのだろう。
「さっすが西園寺先生の赤ちゃん、産まれながらにしてかわいい!」
「将来、とびきりの美人になりそうね」
娘は病棟でプリンセスと呼ばれるようになったそうだ。
産まれたばかりの娘はまだくしゃくしゃでお猿さんみたいなのに、そうやってお世辞を言ってくれるのがなんだかおかしかった。
みんなからお姫様扱いをされたことが、存外気持ちよかったらしく、悠生さんは娘の名前に『姫』という文字を入れた。
十二月という季節にちなんで『柚』という文字を使い、柚姫――それが悠生さんが決めた娘の名前だ。
『杏』と『柚』という響きが似ていたからという理由もあるらしい。杏の娘にぴったりだね、なんて言っていた。
予定日の直前に陣痛がきて病院へ。
丸一日かけて、私は二九〇〇グラムの元気な女の子を出産した。
退院直前、悠生さんが娘を抱っこして病院内の各所を回りお披露目した。
我が子を見せびらかしたかったのもあるだろうけれど、自分が父親になったことと、円満な家庭であることをアピールする目的もあったようだ。
以前、私が陰口を叩かれて落ち込んでいたことを気にしてくれたのだろう。
「さっすが西園寺先生の赤ちゃん、産まれながらにしてかわいい!」
「将来、とびきりの美人になりそうね」
娘は病棟でプリンセスと呼ばれるようになったそうだ。
産まれたばかりの娘はまだくしゃくしゃでお猿さんみたいなのに、そうやってお世辞を言ってくれるのがなんだかおかしかった。
みんなからお姫様扱いをされたことが、存外気持ちよかったらしく、悠生さんは娘の名前に『姫』という文字を入れた。
十二月という季節にちなんで『柚』という文字を使い、柚姫――それが悠生さんが決めた娘の名前だ。
『杏』と『柚』という響きが似ていたからという理由もあるらしい。杏の娘にぴったりだね、なんて言っていた。