今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「あなたはあなたの場所で精一杯尽くしなさい。西園寺家の経営は、優秀なスタッフもついているからどうとでもなるわ。あなたが心配しなくても大丈夫よ。それから――」

ちらりと視線を横に流して、心配そうに悠生さんを見る。どんな思いを巡らせたのか……きっと心配も期待も信頼も、入り混じっているのだろう。

「悠生のことをよろしく。悠生、この子に私みたいな思いをさせるんじゃありませんよ」

「もちろんだ」

「……複雑だなぁ」

さりげなく不満を漏らされたお父さまは、どこかあきらめたように息をつく。

結局、ご両親は私たちの結婚を認めてくれた。

式は出産後、悠生さんの実家のある関西で行うこととなった。出産を機に、両親の顔合わせもしようという話になっている。孫の顔を見ながらなら、きっと話も弾むだろうと。

結婚を反対されたまま出産なんてことにならなくてよかったと、私は安堵した。

ようやく婚姻届けを提出し、私たちは晴れて夫婦となった。


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