今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「あの……私……」

ずっと彼を我慢させていたのは知っている。

私も……我慢していた。もっと深く彼と繋がりたかった。

恋人である期間が短すぎて、一足飛びで夫婦になってしまったから。

本当はもっともっと、恋人らしい甘いことや、強欲なこともしてほしかった。

「……私も、ベッドへ連れていってほしい……」

真っ赤になってそう答えると、彼は私の体を抱き上げ、寝室へと運んだ。

柚姫の寝ている部屋の隣。泣き声が聞こえればいつでも駆けつけることができる。

今はぐっすり眠ってくれているようだけれど……あ、でも、布団に顔が埋まっていたりしないだろうか? 急に不安になったのは、これからパパを独占しようとしている罪悪感だろうか。

「あの、柚姫は……大丈夫かな? 様子を見に行かないと……」

「じゃあ。俺が見てくるから、君は――」

私の体をそっとベッドに下ろし、にこやかに、でもどこかSッ気のある鋭い眼差しでこちらを見下ろした。

「その美しいドレスを脱いで待っていて」

「へ?」

薄暗い部屋に私を置いて、彼が出ていく。
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