今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
深いキスとともに、私の体を暴いていく。腰を持ち上げてドレスを引き抜くと、スモークパープルの薄布がしゅるしゅるしゅると儚い音を立ててベッドの下に滑り落ちていった。

奮発して買った上質なストッキングは、肌馴染みのいい滑らかな手触り。

彼はそっとひと撫でして「……こんなのを選ぶなんて、悪い子だ」となぜだか不満そうに表情を歪め、ゆっくりと膝まで脱がしていく。

ストッキングが邪魔で脚が開かない。その閉じられたわずかな裂け目を無理やりこじ開けるように、彼の手が太ももの隙間を這い上ってくる。

「……もし、痛かったら言って」

不意に、少し緊張した面持ちで彼が言った。

出産で傷を負った場所――触れられるのは、私もまだ少し怖いし、彼だって心配なのだろう。

でも――。

忍び込んできた指先にそっと撫でられ、緩やかに込み上げてきた愉悦に、私はゆっくりと息を吐いた。

「……大丈夫。痛くない」

「……よかった」

安堵の吐息を荒々しい嘆声に変えて、彼が唇を奪う。私に触れる力が強くなった。まるで、もう手加減は不要だとでもいうように。

彼は私の上に跨ると、服を脱ぎ、たくましい体を惜しげもなく晒す。

柚姫のお風呂をお願いするときに体を見ることはあったけれど、情欲に火照った今の体は、いつもとは全然違って見えた。
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