碧色の恋。
「七瀬くん大事なやつだったんじゃないのー?」
「本当に大事なやつだったら人に頼まず自分で届けに来るだろ。」
そう言って七瀬くんはまたスマホに目を向ける。
だからと言って椿先輩に連絡するわけじゃないんだろうけど。
「琴音、なかなか戻ってこないから心配したよー?」
お箸を洗いに行くと言ったっきり戻ってこなかったら、そりゃあ心配するよね。しまちゃん、ごめん。
「椿先輩に、手紙渡すように頼まれて」
椿先輩、碧色のブレスレット付けてた。
その色に意味があるのかどうか、分からないけど。
「はあ!?手紙!?ラブレターじゃないでしょうね!!」
しまちゃんが勢いよく机を叩いて立ち上がる。
その音にみんなびっくりして視線を向けられる。
「ち、違うよしまちゃん落ち着いて」
「落ち着いてなんかいられないでしょ!!」