ハージェント家の天使

兄の襲来

「お兄ちゃん! 待ってたよ!」
 次の日の午後、モニカは屋敷にやって来たリュドを出迎えた。
「ああ、突然すまない。ようやく時間が取れてな。すぐに会いに行きたくなったんだ」
 屋敷にやって来たリュドは、貧民街で会った時の鎧姿とは違い、白色のシャツと黒色のスラっとしたパンツ、背中にストレートの金髪を流していたのだった。
 また、帯剣している剣の柄にはオレンジ色の魔法石が紐で結ばれていた。
 リュド曰く、洋服も、魔法石も、全てヴィオーラから借りたらしい。

「定刻より早く来てしまった。もう少しゆっくり来るべきだったな」
「ううん。お兄ちゃんらしくて、いいと思うよ!」
 モニカはフフッと笑ったのだった。
(ここまでは、モニカ備忘録の通り)
 モニカはリュドが来るまでに、モニカから引き継いだ記憶ーーモニカ備忘録の中からリュドに関する記憶を探した。
 全て見つけた訳ではないが、どうやらリュドは几帳面な性格らしい。
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