解けない愛鎖
「改めて話聞いてると、割とクズ男だったんだね」
「そうかも」
自嘲気味に笑うあたしに、友人たちが同情の眼差しを向けてくる。その眼差しがあたしを肯定してくれているような気がして、ヒロキの話題が出たことで痞えていた胸が少し楽になった。
あたしの決断は間違っていない。間違えていたら困るのだ。
左手に光る指輪を、薬指ごと右手で握りしめる。
大学を卒業してから、もう五年以上が過ぎた。
社会人になって歳を重ねていくうちに、見えていた景色が学生のときとは確実に変化していた。
人間関係や価値観だって変わったし、自分の気持ちだけではどうにもならない理不尽なことが世の中には山ほどあるのだと知った。
社会の波に揉まれたあたしは、いい意味でも悪い意味でも、学生の頃よりもずっと大人になったのだ。見た目だけじゃなくて、中身も。
だから、感情だけに任せた幼い恋愛をいつまでも続けていくことはできない。
ただ苦しくて、辛いだけだから。