カラフル☆デイズ
先輩を見上げると目が合って、視界の端では花火が瞬いているのに、先輩から目を逸らすことが出来ない。
ゆっくりと顔を近付けてくる先輩に、花火の音よりも自分の心臓の音の方が大きく聞こえてくる。
ドクンドクンと高鳴る心臓の音は、まるで耳元で鳴っているかの様に感じられた――。
これって、この流れって
もしかして……、キスされる、の……?
ここで目を瞑るべき? 顔をもうちょっと上げるべき?
頭の中がぐるぐるし過ぎて、どうすれば良いのか判らず石像の様に固まることしか出来ない。
堪らなくなってギュッと目を閉じると、左手で頭を引き寄せられ、何も考える間もなく、額に軽いキスが落ちてきた。
「――ふぁ……?」
唇にされると勘違いしてしまった恥ずかしい気持ちと、どこかホッとした気持ちに、間の抜けた声が洩れた。