カラフル☆デイズ
「……何、不満?」
見透かした様な顔で意地悪く笑った深月先輩に、両手で顔を覆い、真っ赤になっているはずのほっぺたを隠した。
「じ、じゅーぶん、ですっ!!」
隠さなくても、きっと暗くて見えていないだろうけれど。
今のキスだって、私をドキドキさせるには十分な威力を発揮した訳で。
ラストに向けて、花火が一段と派手に連続で打ち上げられているのに、意識は全部、深月先輩に持っていかれてしまう。
それなのに、先輩は無邪気に「おぉ、凄いな……」なんて呟きながら、花火を見上げている。
「――覚悟してて下さいね」
私もその内、深月先輩のことをドキドキさせてみせますから!
心の中でそう決意して、先輩には聞こえないほどの小さな声で呟いた。