カラフル☆デイズ

一時間以上あった花火大会もあっという間にフィナーレを迎えると、大半の人たちが一斉に帰り始める。


結局、千紗には会わなかったな……なんて考えながら、移動する人ごみの波に乗って、私たちも帰ることにした。


先輩の家はうちとは反対方向だけど、さすがに今日は遅いから家まで送ると言ってくれた。


普段なら遠慮していたと思う。だけど、もう少し深月先輩と一緒に居たくて、今日は先輩の言葉に甘えることにした。


――だけど、やっぱり欲張っちゃいけなかったんだ。


来た時に待ち合わせをしたコンビニを通り過ぎて、家まで数百メートルという曲がり角に差し掛かった所で足を止める。


「――うち、すぐそこなので、ここで大丈夫です」



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