カラフル☆デイズ

「俺と同じクラスの……古川深月だよ」


深月先輩の名前を口にしたセイ兄は、面白くなさそうにチッと短く舌打ちをした。


「……まひる、静夜の言う通り、俺も反対だ」


「どうして?あさ兄は深月先輩のこと、何も知らないじゃない」


「……例え知らなくても、まひるに嘘をつかせる男は反対だよ」


あさ兄が私の肩にそっと触れる。


「嘘をついたのは私の所為であって、深月先輩の所為なんかじゃないよ。あさ兄との約束は覚えてたけど、話したらこうなるだろうなって思ったら、言えなかったの……」


だけど、結局はこの繰り返しになるんだ……。


この間、私が本気だって――本気で好きだって言ったのに、やっぱりこうなってしまう。


あさ兄たちには、どうやっても判ってもらえないということが、どうしようもなく寂しい。




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