カラフル☆デイズ
「たまごサンド?」と、不思議そうにしているあさ兄の声に、顔を上げる。
深月先輩が、私のたまごサンドを美味しいって言ってくれたあの時から、無愛想なところとか、皮肉っぽいところとか、そんなことはどうでも良くなってしまった。
あの瞬間、私は深月先輩にしかないものを見つけたんだ。
深月先輩にしかないものが、たった一つでもあって、そして、それをどうしようもなく好きだと思えたのなら
それがきっと、“恋に落ちる”ってことだと思った――。
だから、
「セイ兄や、あさ兄がなんと言おうと、絶対に引かないから」
背筋を伸ばして顎を引き、セイ兄とあさ兄を真っ直ぐに見つめる。
「だから、これからも私からするよ。例え先輩からしてくれなくても、ハグも手を繋ぐのも。私がしたいって思ったら、私からするよ」