カラフル☆デイズ

「たまごサンド?」と、不思議そうにしているあさ兄の声に、顔を上げる。


深月先輩が、私のたまごサンドを美味しいって言ってくれたあの時から、無愛想なところとか、皮肉っぽいところとか、そんなことはどうでも良くなってしまった。


あの瞬間、私は深月先輩にしかないものを見つけたんだ。


深月先輩にしかないものが、たった一つでもあって、そして、それをどうしようもなく好きだと思えたのなら


それがきっと、“恋に落ちる”ってことだと思った――。


だから、


「セイ兄や、あさ兄がなんと言おうと、絶対に引かないから」


背筋を伸ばして顎を引き、セイ兄とあさ兄を真っ直ぐに見つめる。


「だから、これからも私からするよ。例え先輩からしてくれなくても、ハグも手を繋ぐのも。私がしたいって思ったら、私からするよ」




< 263 / 420 >

この作品をシェア

pagetop