昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「しかし、もう彼女は少女ではありませんよ。伯爵令嬢なのに家計簿をつけていてちょっと風変わりではありますが、なに不自由なく暮らしてきた華族の娘よりは好感が持てます。あなたもそろそろ結婚を考えてはいかがですか?」
 右京が誰かのことを褒めるなんて滅多にない。
 まあ、凛と会って悪い印象を持つ者は多分いないだろう。あのギャンブル狂の父親以外は。
「余計なお世話だ。だが、お前が結婚したら考えてもいい」
 ニヤリとしながら言い返したら、伊織が現れて会話に加わる。
「言質は取りましたよ、鷹政さま。右京、誰でもいいから結婚しろ」
 伊織の勝手な発言に右京はカチンときたのか、目を細めて冷ややかに言った。
「自分のことを棚に上げないでください。伊織が結婚すればいいんですよ」
 険悪な空気が漂った時、幸太もやってきて、焼きとうもろこしを手に持ちながら二パッと笑う。
「お? みんな結婚するんだ。めでたいな。鷹政さまも凛と結婚するんでしょ。早く俺に子供を抱かせてよ」
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