昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 その天真爛漫な笑顔を見て私も弟も苦笑い。
 だが、姉の言うことは正論だ。
 その後は直史が大学の話をして和やかな雰囲気で食事をし、私は家を出るとバスに乗った。
 バスは通勤のサラリーマンたちですし詰め状態。バス一本で行けるならいいが、一回乗り換えなければならず楽ではない。
日本橋の停留所で降りて、三分ほど歩いたところに私が働いている『青山国際通商』がある。
 三階建ての石積みレンガ造りの建物で、柱はコリント式で荘厳な雰囲気。有名な外国の建築家が設計したとかで、内部の設備もエレベーターや水洗トイレ完備と最新のものを取り入れている。
 青山国際通商は日本三大財閥のひとつの青山財閥が経営している会社で、五年前に設立され従業員は五十人ほど。絹織物などを輸出し、綿花やパルプ、生ゴムなどの原材料を輸入しているが、極秘で政府の依頼を受けて海外から武器も仕入れている。
 正面玄関を抜けてエレベーターに乗ると、三階で降りた。
< 14 / 260 >

この作品をシェア

pagetop