昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
皮膚が焼けそうだ。
赤々と燃える炎は怖いが、なにもせずに逃げるわけにはいかない。
彼の部下はマストから離れ、ここから逃げるためなのか梯子を下ろしている。
だが、橋本清十郎に構っている場合ではない。
マストの下に行き、バスタオルを燃えている帆に被せようとするも、焼け石に水だった。すぐにバスタオルにも火が引火して慌てて海に放り投げた。
「無駄だ。逃げろ!」
橋本清十郎が私に向かって叫んだその時、マストの棒がバキバキと大きな音を立てて倒れた。
「キャッ!」
慌てて飛び退いてマストの下敷きになるのは避けられたが、まだ助かったとは言えない。
私の目の前には倒れたマスト。
真っ赤に燃えていてもう船内には戻れない。私の後ろは海だ。
水面までは二十メートル近くありそう。
これでは鷹政さんに知らせに行くこともできない。
今すぐ雨でも降ってくれればいいのに。
そんな現実逃避をしてみるが、雨雲はひとつもない。
絶体絶命。
赤々と燃える炎は怖いが、なにもせずに逃げるわけにはいかない。
彼の部下はマストから離れ、ここから逃げるためなのか梯子を下ろしている。
だが、橋本清十郎に構っている場合ではない。
マストの下に行き、バスタオルを燃えている帆に被せようとするも、焼け石に水だった。すぐにバスタオルにも火が引火して慌てて海に放り投げた。
「無駄だ。逃げろ!」
橋本清十郎が私に向かって叫んだその時、マストの棒がバキバキと大きな音を立てて倒れた。
「キャッ!」
慌てて飛び退いてマストの下敷きになるのは避けられたが、まだ助かったとは言えない。
私の目の前には倒れたマスト。
真っ赤に燃えていてもう船内には戻れない。私の後ろは海だ。
水面までは二十メートル近くありそう。
これでは鷹政さんに知らせに行くこともできない。
今すぐ雨でも降ってくれればいいのに。
そんな現実逃避をしてみるが、雨雲はひとつもない。
絶体絶命。