昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「凛?」
 名前を呼べば、彼女はゆっくりと目を開けて俺の方を見た。
 最初は焦点が合わなかったが、しばらく見ていると彼女が俺の名を呼んだ。
「鷹政……さ……ん?」
「そう、俺だ。気分は?」
 凛の目を見つめて微笑むと、彼女は弱々しい声で返した。
「頭が……ボーッとしてます。みんなは?」
「無事だ」
 安心させるように言ったのだが、彼女がマスクを外して突然起き上がったものだから驚いた。
「あっ、ネックレス! ない、ない!?」
 胸元に手を当て青ざめる凛。
 急にいつもの彼女に戻ったな。
「それも大丈夫。外して伊織に持って帰ってもらった。ネックレスぐらいで飛び起きるな。まだ身体が弱ってるんだから」
 凛の肩を軽く押してまた寝かせようとしたが、彼女はすぐ横にならなかった。
「だってあれレプリカではないですよね? なくしたら大変」
 誰から聞いたかは知らないが、そんなの気にしなくていいのにな。
「凛の命より大事なものなんてない」
 彼女の頬に手を当てて伝えるも、なぜか凄い剣幕で怒られた。
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