昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
 とても愛らしく、奥ゆかしさも感じられて彼女によく似合っていた。
 そう、今日は俺と凛の結婚式がある。
あの豪華客船の翌日、橋本清十郎は警察に捕まって取り調べを受けるも、すぐに釈放され、病院を退院した凛に【すまない】とメッセージ付きで薔薇の花を一輪送ってきた。
 本当は捨てようと思ったが、凛が『花には罪はありませんよ』と言うのでやめた。
 だが、ビジネスであいつに目に物見せてやる。
 今、奴に気付かれぬよう橋本総合貿易の買収に動いているところだ。
 凛が俺に声をかけたので、ハッと我に返る。
「わあ、鷹政さん、その黒の紋付き袴凄く素敵です。右京さん、お願いです。鷹政さんの写真をいっぱい撮ってくださいね」
 彼女のお願いに右京は苦笑い。
「鷹政さまの意見は違うと思いますが」
 右京が俺を横目で見るので、「俺よりも彼女を撮ってくれ。お前だって美しいものを撮りたいだろう?」と指示を出す。
「いいえ、私よりも鷹政さんをお願いします。今度右京さんの好きな肉巻きおにぎりを弥生さんと作りますから」
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