昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
華族のパーティに頻繁に顔を出していた弟の直史ならおじいさんの顔を一目見て青山財閥の総帥とわかっただろうが、私は政財界の要人をほとんど知らない。
「顔を見たのね。最近はあまり表に出てこないから、見られて幸運かもよ」
フッと笑う彼女の話に相槌を打つ。
「そうなんだ。身体を悪くしたの?」
母を亡くしているし、他人とはいえどこか悪いのかと気になってしまう。
「氷帝がいるから、自分が表に出る必要がないんでしょう」
なにかと事情通の春子さんと違って私は青山財閥のことをよく知らない。
「氷帝って?」
春子さんの方に身を乗り出して聞くと、彼女は少し呆れ顔で言った。
「凛は本当になにも知らないのね。まあそこが凛らしいけど。氷帝っていうのは、総帥の孫の青山鷹政のことよ。金融恐慌の時、情け容赦なく人員削減を行い、強引な企業買収を行ったからその異名がついたらしいわ」
「なんだか怖そうな人ね。会ったら失神しそう」
「顔を見たのね。最近はあまり表に出てこないから、見られて幸運かもよ」
フッと笑う彼女の話に相槌を打つ。
「そうなんだ。身体を悪くしたの?」
母を亡くしているし、他人とはいえどこか悪いのかと気になってしまう。
「氷帝がいるから、自分が表に出る必要がないんでしょう」
なにかと事情通の春子さんと違って私は青山財閥のことをよく知らない。
「氷帝って?」
春子さんの方に身を乗り出して聞くと、彼女は少し呆れ顔で言った。
「凛は本当になにも知らないのね。まあそこが凛らしいけど。氷帝っていうのは、総帥の孫の青山鷹政のことよ。金融恐慌の時、情け容赦なく人員削減を行い、強引な企業買収を行ったからその異名がついたらしいわ」
「なんだか怖そうな人ね。会ったら失神しそう」