昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
素っ頓狂な声をあげたら、総帥が「シッ!」と人差し指を唇に当てた。その目は子供のように悪戯っぽく光っている。
「大声を出すと煩いのに見つかる」
「あっ、すみません。でも、どうしてここに?」
条件反射で謝るも、総帥に理由を尋ねたら、彼はまるで探偵のような口調で言った。
「匂いがしたんじゃ」
クルクル変わるその表情。
総帥というからもっと近寄り難い人かと思ったけど、親しみやすい人のようだ。
「あっ、おいなりさんのですね。申し訳ございません。ここでお弁当なんか食べたら匂いが気になりますよね。す、すぐに片付けますから」
青山財閥で一番偉い人の前でお弁当を広げるなんて失礼なことをしてしまった。
恐縮しながら謝ってお弁当をしまおうとしたら、総帥に止められた。
「待て。そうじゃない」
「へ?」
総帥の言葉に奇声を発する私。
「わしのことは気にせずここで食べなさい」
お弁当箱のおいなりをジッと見据える総帥を見て、ふと思った。
ひょっとしておいなりを食べたいのだろうか?
「大声を出すと煩いのに見つかる」
「あっ、すみません。でも、どうしてここに?」
条件反射で謝るも、総帥に理由を尋ねたら、彼はまるで探偵のような口調で言った。
「匂いがしたんじゃ」
クルクル変わるその表情。
総帥というからもっと近寄り難い人かと思ったけど、親しみやすい人のようだ。
「あっ、おいなりさんのですね。申し訳ございません。ここでお弁当なんか食べたら匂いが気になりますよね。す、すぐに片付けますから」
青山財閥で一番偉い人の前でお弁当を広げるなんて失礼なことをしてしまった。
恐縮しながら謝ってお弁当をしまおうとしたら、総帥に止められた。
「待て。そうじゃない」
「へ?」
総帥の言葉に奇声を発する私。
「わしのことは気にせずここで食べなさい」
お弁当箱のおいなりをジッと見据える総帥を見て、ふと思った。
ひょっとしておいなりを食べたいのだろうか?