不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

「優香ちゃん、可愛いよね」

なんか、ご愁傷様ですと、立ち直れない優香を見つめたのだ。

2ヶ月目の第2週の週末は、生理痛で寝込んでいた私。先月同様、セフレなのに性欲処理的なものを求めることもなく、主任は、私を甘やかし、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。

ますます、好きになる。

その翌週のことだ。

それぞれが仕事を抱えるなか、中村さんは仕事を覚える気があるのかないのかわからない態度で、スマホをいじっていたり、サボる時間も長く、なかなか戻って来ない日が続いた。

週末までこんな感じの中村さんに、さすがに男性陣も呆れ、等々、課長が叱責にかかる。

「中村、ちょっと来い」

「はーい」

パーテーションで区切ってある個室に入って行く2人の背を見送る私達が思うことは一つだ。

「あれは、泣かされるな」

山崎さんの呟きに、皆が同意して頷く。

自業自得とはいえ、あの恫喝に耐えられるはずはなく、少しかわいそうに思ったのだ。

課長が叱責にかかる前に、注意をしてあげれば少しは違ったかも知れないと思うのだったが、いまさらだ。

「やる気がないなら、辞めてしまえ」

聞こえてくる課長の声に、皆が肩をすくめる。
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