穂先輩が甘々すぎる。



…穂先輩の表情では判断できないけれど、やっぱり、お、怒ってる…よね…?


あんな態度を取られたら、普通は怒る…と思う。


ど、どうしよう…!


でも…もう穂先輩から、自分から逃げられない、
逃げてはいけないと感じた。



「は、はい…!」



私は若干怯えながらも、縦に首を振った。


取り出したばかりの教材を片し、図書室を出て前を歩く穂先輩についていき辿り着いたのは、私たちが初めて学校で会った裏庭。


人気はまったくなくて、年季の入ったあのベンチに、今日はふたり並んで腰かけた。


私たちの間には、ひと一人分座れそうなくらいの距離が空いている。


正直…私は今気まずく感じてしまっている。


けれど…自分のせいなのに、気まずいなんて思うのは穂先輩に失礼だ。


…うん、きちんと謝ろう…!


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