穂先輩が甘々すぎる。
ベンチに座ったままのけぞるように体を離したせいで、若干腰に負荷がかかった。
穂先輩も急に呼ばれたことで流石にびっくりしたようで、目を見開いて声のした方を振り向いた。
「げっ」
振り向いた瞬間、珍しく顔を歪めた穂先輩。
私も、穂先輩の見ている方向に視線を移す。
「あっ…」
手を振りながら、走ってこちらに近づいてくるあの人は…。
その人物を見て、私も目を見開いて何度か瞬きを繰り返した。
走って私たちの目の前までやってきた彼女は、若干弾んだ息を整えながら、明るい笑顔を浮かべた。
「穂っ!なにしてんの、こんなとこで!」
私たちのもとまでやってきたのは、この前カフェで会った穂先輩の____…いとこさん、だ。
本当に失礼だけれどさっきまで私の悩みの種だったその人と再会するなんて、なんというタイミングだろう。