腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「あの日、田中と会った日。『彼女と別れたばっかだし』って言ったの、それは嘘。だって、そう言わないと、なんか勘違いするかもな、って思ったから。あげは僕が誰かと付き合ってるって思いこんでたし。そういう相手は絶対いないと思わせた方がいいと思ったの」
「え? えっと……じゃあ、まだ付き合ってる?」
「いや、だから違うって! もともと誰とも付き合ってない!」
「ぇええええ⁉」
私が心底驚くと、須藤先生は、はぁ、と大きいため息をつく。
ちょ、なんか呆れられてる……?
「ついでに言うと、身体の関係も、あげはがうちの研究室に来てから誰とも、全然ないよ」
「……えぇっと」
「うーん、とにかくさ。勘違い? そこはクリアしておかない?」
「……はい」
私は正座で座りなおす。
すると須藤先生も私の前に正座した。
混乱しきっていた頭が少しクリアになる。
だって、二人、高級ホテルのベッドの上で向かい合って正座してるその光景が、なんだか変だな……って思って。
そんなことをぼんやり考えた時、
「まず重要なことだけどね。僕は、あげはのことが好きだよ。ずっと好きだった」
須藤先生はまっすぐ私の目を見てそう言った。