腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
時折、彼女は研究室を訪れた。
鳥羽教授への届け物。
実はこれ、彼女のお母さんとすでに仲良くなっていた僕が、
彼女がこちらに届け物をするよう仕組んでいたことだった。
彼女のお母さんはその時すでに、彼女と僕の仲を後押ししていたのだ。
強靭な協力者ともいえる。
ちなみにできるだけ鳥羽教授のいない時間を狙って届けさせたりしてたけど、
それは内緒。
トントン、といつもの音が響く。
研究室に入ってきた彼女はほんのりメイクもしていたけど、20歳と言うにはまだまだ子どものようなあどけなさが残っていた。
「本当に先生になったんですね、おめでとうございます」
助教になってすぐ、届け物をしてくれた彼女がそう言って笑った。
そうだよ。
僕は当たり前のように教員になった。
将来の夢、ってなかったんだ。
ただ一つあるとすれば彼女とずっと一緒にいること。
僕がここにいる意味、分かってるのかな。
分かってるはずないよね……。
心の中でそう思う。