腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

<鳥羽浩一郎教授の場合>


 大事に、すごく大事に育ててきた娘が嫁いだ。
 相手は、この研究室の准教授で自分の教え子でもあった須藤裕先生。

 須藤くんのことは昔から知っている。隙のない仕事ぶり。
 研究に関しても勘も手際も良く、なんでも安心して任せている。

 もちろん、信頼だってしている。

 教授陣、果ては学長にまで一目置かれていて、
 そんな人間が同じ研究室にいることは、自分にとっても助かることが多い。

 大学教員として、申し分のない人物だ。


 ……そう、申し分ないはずだけど、なんだかプライベートでは油断ならない。

 もちろん、浮気したりもしないし、娘に対して非常に一途だ。
 しかし、問題は一途すぎること……。

 それの何が悪いの? と妻は全面的に須藤くんの味方なのだが……。
 彼はちょっと……いや、大分、腹が黒いと思う。真っ黒だ。


 その底知れぬ黒さに、自分は不安があるのだ。


 そして、正直に言えば……
―――須藤くんは、時々非常に怖い。超コワイ。

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