腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
昨日、須藤先生と娘が喧嘩をしている場面に出くわしてしまった。
「だって、須藤先生に教えてもらった『こういうこと』、嘘ばっかだもん!」
「なにが?」
「聞いたもん! 普通は、こういうもの見えるとこにつけないって! それに、毎日何回もするって普通じゃないんでしょ! それに……」
ちょ、どういうことだ……!
あげは!
顔を青くしたり、赤くしたりしながら、柱の影でその話を聞いていた。
その時、
「あげは?」
須藤くんが優しい声であげはに言う。
「なによっ!」
「お父さんがかわいそうだからやめてあげようか」
その声に、思わず顔を上げると、須藤くんと目が合った。
―――み、見つかってたのか……?
あげはもこちらを向く。
そのあげはと目が合うと、あげはが先に真っ赤になって、思わず自分も真っ赤になったのが分かった。
そんな自分たちを見ると、
須藤くんは目を細め、当たり前のようにあげはの肩を抱くと、
「お騒がせして申し訳ありません。今日は帰りますね」
と言って帰っていった。
―――う、う、う、うちの大事な娘に、なにしてんだーーーーー!
そうは思うけど、あまりにも頭がパニックになっていて、口をパクパクと動かすだけで、一言も声が出せなかった。