腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「あ、あと学生も雇うからね。とりあえず一年、ドクターから5人」
須藤先生は続ける。「学生の選抜と処理は、研究員の芦屋に聞いて。あげは入る前も雇って、その事務処理助けてくれたから」
「はぁい!」
それを聞いて、思わず声が弾んだ。
それもそのはず。
「なに? 嬉しそうだね」
「実は私、芦屋先生のファンなんです」
芦屋先生は、芦屋美海という美しい名前で、今は学部の研究機関にいる研究員。
私が入ってきた年、うちの博士課程にいた。
すっごく美人で、はっきりしていて、優しくて、同じ女性として憧れている。
ちなみに、お酒が好きだが弱い、という隙があるのもチャームポイントの一つではないだろうか。
「なんだ女子にまで人気なんだね、あいつは」
私はそれを聞いて眉を寄せる。
「……須藤先生。まさか、芦屋先生にまで、手を出してないでしょうね」
「まさか。あいつは美人の仮面をかぶったオッサンだぞ」
「は?」
やけに芦屋先生に失礼だな。
私が睨むと、須藤先生は苦笑した。
「ま、今日朝、一緒の会議だから伝えとく。今日あいてる時間聞いてみとくから」
「はい」
私は返事して、ウキウキしながら自分の机の事務椅子に座った。
そして書類の束に向き合う。
土曜のことはいったん忘れて、仕事頑張ろう。